アメリカ大学への道-合否発表編-
今回のブログでは、アメリカの大学院の合否発表について触れていきます!私は今回が初めての大学院申請だったので、右も左も分からない事の連続でした。たくさんの情報を自分で探しましたが、日本人看護師さんが発信している、アメリカ大学院に関する情報はとても少ないように感じました。今回の記事では、自分の失敗談、合否発表までのプロセスや、合否基準・何が合否に大切になってくるのかをまとめています!看護師・医療者問わず、夢を追う日本人がアメリカで大学院にアプライされる際の参考になれば嬉しいです☺
1.大学院は何校までアプライできる?
すごく優秀でGPAの高い、現地のアメリカ人でさえも、念のため3-10個ほどの大学院のプログラムにアプライするのが一般的なようです。お金さえ払えば、希望の大学院をたくさんアプライできるのですが、金銭的に余裕がない学生の人達は、1-2つの大学院などに絞ってアプライします。
WESの審査結果を大学に送れるのが、10校までが上限でした。そのため、留学生: International StudentとしてWESを介入し書類を提出する場合は、最大10つの大学院プログラムにアプライすることが出来ます。もしDomestic student(アメリカで学位がある方、市民権のある方など)である場合は、10校以上アプライできるのかもしれません。
2. International Studentとして申請した?
私はアメリカ国内で教育を大学で受けていないので、International studentとして書類を提出しました。一部の大学(主にはPublic University等)には、あなたはアメリカで永住権を取得しているからDomestic studentとしてアプライ出来るよ、と言われました。しかし私立大学に問い合わせた際には、あなたはアメリカでの学位や教育がないので、International studentとして、英語のテストのスコアを提出する必要があるよ、と言われました。
自分が、InternationalかDomestic studentなのかで、提出物も異なるので、大学側に問い合わせをし、大学院のRequirmentsを確認する事が大切です。
3.アプライした大学院プログラムと、合否結果
私は2022年の10月頃から、アメリカ大学院への申請を開始しました。人生初の大学院への挑戦であったので、1つの大学も合格できない可能性も考慮に入れ、5つの大学の大学院プログラムにアプライしました。
①第一希望: Harvard University(Master Public Health Generalist)
ハーバード大学のMPHは、全米で第2位の大学。
Internasional StudentのAcceptance rate3%。必要なGPAは3.9~4.0以上😲
私の目指している国際連合とのコネクションが強く、インターンやリクルートも多い事から、無謀ながらもハーバード大学にアプライしました。私はGPAが低すぎることや、ボランティア経験も十分でなかったことから、やはり結果は不合格に終わりました。
しかし、ハーバード大学の学務の方達は、すごく丁寧にメールや電話で対応してくれました。学務の方の他者への尊敬や丁寧な対応を目の当たりにし、ハーバード大学に挑戦したという事実はとても素敵な経験・思い出となりました。
●不合格通知
大学院に不合格だった場合には、このようなお断りのメールがやんわりと届きます😂これは、自分のapplicant status pageからログインするとみる事が出来ます。
②第二希望: Johns Hopkins University MPH
アメリカで公衆衛生を学びたい人が1度は憧れる有名どころJohns Hopkins大学。ジョンズホプキンスのMPHは全米ナンバー1。International studentのacceptance rate6.5%。必要なGPAは3.5以上。平均GPAは3.9。
私の家に2回大学から手紙が届きました。『うちの大学に興味を持ってくれてありがとう。何か質問があれば遠慮なくこの連絡先に問い合わせて下さい。』という内容でした。そして合否発表1週間前に、大学側から急に、『後5日で140万の費用のPrerequisite coursesを8つを取ってください』と連絡が決ました 👇
自分の合否も分からない、そしてこのコースを140万円支払ってとっても大学院に合格できる保証もないという状況で、早く支払いをして下さい。残り5日です!みたいな連絡がたくさん来るようになり、これって詐欺なのかな?と思い、学務の人に詳細を尋ねてみました😂
すると『あなたは日本の大学で公衆衛生や疫学の成績はAll Aだし、このコースは取らなくて良いよ。あなたはGPAも足りてるし合格するとは思うけど、一応合否結果を待ってね』と言われ、お?これは脈ありなのか?と思っていましたが、その後速攻で落とされましたw😂
適当な一斉自動送信のメールや手紙などから、憧れだったジョンズホプキンス大学への不信感が強くなるという経験に終わりました。もし合格していたら、同じようにまた振り回されたかもしれないと思うと、この大学に落ちてよかったと感謝しています(笑)
③第三希望: New York University Global Public Health
ニューヨーク大学のMPHは、全米で19位。NYCのランキングは、No.2の大学です。Internasional StudentのAcceptance rate13%。必要なGPAは3.3以上。平均GPA3.7。
特にランクの高い大学ではないのですが、私の日本の国際看護大学の恩師である教授が昔行っていた大学なのでずっと憧れていました。そしてその恩師も、Master Public Healthを選択し、インターンで国連へいき、NYUからユニセフの仕事をゲットして働いていました。NYUも、国連やユニセフとのコネクションが強くあり、リクルートも多い大学の1つなので、アプライしました。
●合格通知
NYUの合格も無理だろうなと思っていたのですが、嬉しい事に合格しました!合格するとこのようなお祝いメールが、自分のステイタスページに届きます👇
今後大学院で学ぶのが、ワクワクするような内容が書いてあると同時に、入学する意思を示すためのデポジット$500を支払って下さい、と急に現実に引き戻されます😂(このデポジットは、最初の授業料の一部となるようです)。
私はSpring Semesterにアプライしたのですが、WESが3カ月かかり審査に間に合わなかったようでした。しかし学務の人から連絡があり、春セメスターから秋セメスターに変更できますよとの事で、お願いをして急遽変更!そして、ラッキーなことに秋セメスターで2023年に滑り込み合格する事が出来ました😢🍀
④第四希望: The State University of New York Albany MPH
SUNYのMPHは、全米で第64位。Internasional StudentのAcceptance rate、57%。大抵の人は受かる大学です。必要なGPAは3。ランクも高くない普通のPublic Universityです。そして、私の働きたい国連とのコネクションはほとんどありません。
では、何故この大学にアプライしたのかと言うと、現在私が働いている病院で加入している医療従業員組合から、SUNYとCUNYの大学であれば、学費は全て負担してもらえるからです。もし全ての私立大学に不合格だった場合に、行きたい大学ではないけど、念のため職場から学費が全て免除してもらえる大学を滑り止めにしようと思い、SUNYを選びました。
全て不合格となると、今年は大学院で学べなくなるので、次は2024年に向けての再挑戦となります。大切な1年間を無駄には出来ないと言う気持ちが強かったので、全て不合格だった場合は潔くSUNYで修士を取る事を決めていました。合格結果は、最短の8日で届きました。
⑤第五希望: Columbia University MPH Population and Family Health
コロンビア大学のMPHは、全米で第18位。NYCのランキングはNo.1。Internasional StudentのAcceptance rate、5.8%。必要なGPAは3.5以上。
MPHのプログラムは、全てがOn-Campusのクラス。そして、私の家からコロンビア大学までは、地下鉄を乗り継ぎ往復3~4時間。受かってもコロンビア大学まで通学するのは厳しいと思っていました。そのため第5希望としてアプライしたのですが、まさかの合格😲
アメリカで名高いThe Ivy Leagueの1つに入るコロンビア大学。国連のインターンもあるので、正直頑張って通うか悩みました。しかし、①通学時間が長すぎることから仕事と勉強の両立が困難、②大学周辺の家賃が高額、③猫3匹を連れての急な引っ越しは現実的ではない、④Population and Family Healthの分野を今後どのように極めていけばいいのか混乱した、⑤自分がコロンビア大学生になっている姿を想像できなかった、⑥Population and Family Healthの分野を勉強している自分を想像してもワクワクできなかった事を理由に、大学院のオファーはDeclinedさせてもらいました😿
大体1.5カ月~2カ月ほどで、全ての大学からの合否結果をもらうことが出来ました!
4. The Ivy Leagueとは?
The Ivy league: アイビー・リーグとは、アメリカの北東側に密集する8つの有名私立大学のことを指します。有名な著名人を卒業生にたくさん輩出しており、アメリカ社会では伝統や歴史の深い、東海岸の裕福な私立エリート校グループとして捉えられています。
私の受けた大学のうち2つがアイビーズでした。一方、Johns Hopkins・ NYU・SUNYは、アイビーリーグには含まれていません。しかし近年ではNYUは、New Ivyと呼ばれています。New Ivyとは、アイビーリーグの大学のメンバーではないけれど、優れた高ランクの大学としてみなされている大学のことを指すようです。
5. 重要視される提出物は?
私は必要提出物を全て提出した後に知ったのですが、一番重要視されるものはPersonal statementのようです。私は重要性を知らずに、2週間ほどで適当に仕上げて提出したので、それを知った瞬間に『大学院全落ちした』と結構へこみました(笑)
Personal statementは、小論文のようなもので、何故この大学にアプライしたのか等の志望動機を記載します。また、何の勉強をしたいのか、それを活かして将来どう貢献していくのかなどの内容を詳しく書かないといけません。このPersonal statementの内容に皆さんすごく拘るようで、お金を何十万円も払って添削してもらう方もいるようです。そして、この内容がユニークで具体的で個性的であればあるほどより良いようです。GPAが低くても、Personal statementのクオリティ次第では合格できる可能性も上がります。
私はWESから届いたGPAが悪すぎて(GPA3.3/4 )、かなりショックを受けました。なので、合否結果を待っている間は、ずっとGPAが合否に関係すると囚われていました。そのため。GPAが悪かった言い訳を追加エッセイとして提出することにしました😂
6.どんな追加エッセイを提出した?
私はDisadvantage essayというものを追加で作成し、大学側に提出しました。
Disadvantage essayの中には、①Low income studentであった理由、②Low GPA studentである理由、③ボランティア経験、を書いたものをSOPAHS上にアップデートし、各大学の学務の人へもメールで送り自分のアカウント上に反映してもらいました。アメリカの大学院合格には、特に有名私立大学等であると、豊かな人間性はボランティア経験から育まれるというイメージが強くあるようで、ボランティア経験がGPAに加算されたり重要視されるようです。
Personal statementの内容が不足していると感じる人や、私のようにLow income studentとして学生時代に苦労された方、他の学生とは違う環境下での理由がありGPAが低い方、ボランティア経験が少ないなどの問題がある人は、このDisadvantage essayを提出し、私のように言い訳をすることも1つの方法であると思います😂
言い訳と言っても、エッセイの結論は、『I believe that these disadvantages in my life made me stronger, and all experiences will help me achieve my dreams in the future and to help people worldwide. I believe my ability to work diligently and consistently through disadvantages plus my wide views and experiences proves that my application is good, and I can handle the rigors of graduate school. 』のような感じで、無理やりポジティブにまとめました(笑)
GREは求められていない大学院が近年増えていますが、大学のレベルによってはGPAが3以下、又は3.3以下、The Ivy leagueなどの良い大学院によっては3.5以下であると、GREを提出した方が有利であるという情報もあったので、受験してスコアを提出してみるのも良いと思います。
7.どんな人がアメリカで大学院に合格できるの?
これだけは本当に答えは分かりません(笑)実際に、合格・不合格した理由は、大学側から個人には教えてもらう事が出来ません。なので、基本的には私たちには合否基準は分からないです。
アメリカの大学院に通っている先輩から、GPA2でコロンビア大学に合格したドクターもいるという話を聞きました。GPA2は大学を卒業できていないか、さすがに留年しているのでは...?と驚きましたが、それ以上に素晴らしいPersonal statementと、きらりと輝く夢や人間性・ボランティア経験があったのではないかと察します。
私が思う合格する人のポイントは、大学院でしたい事・学びを得た後に目指す方向性や明確なビジョンがある人だと思います。日本では『大学は夢がない人たちが、夢を探しに行く場所』のような感覚があったように感じます。一方、アメリカの大学は学費も高額であり、そんな感覚で何かを学びに来ている人は1人もいません。そして大学院は、確固たる目的・夢・キャリアゴールのある人達だけが、選ばれて行ける場所であると感じています。なので、どこでも良いからご縁さえあれば学びたい等と漠然とした憧れだけを持っている人は、どれだけ優秀であろうと絶対に選ばれないです。その漠然さが必ずPersonal statementの内容にも現れるし、そして何より大学院側もそんな学生を全く求めていないです。
また私の場合は、日本の教授が、NYUやSt. John's University・ジョンズホプキンスの卒業生でした。私はその大学教授にRecommendation letterを書いてもらったので、先生からのアカデミックコネクションがあったことも合格の1つの要因だったのではないかと感じています。6.5年間ニューヨークで頑張ってきて、看護師として働く際にコネというものを一瞬たりとも感じたことはありませんでした。しかし、アメリカの大学院の場合はコネも大切になってくるのかもなと思います。
また、推薦状を書いてもらう人もアカデミックと職場の両方から推薦状をもらえると強いと思います。また、学生ビザ以外のビザを所得していて自分で学生ローンや奨学金等がアメリカで借りれることや、経済的に自立しており学費が問題なく払える学生であること等も、ある程度の合格要因だったのではないかと思います。そして、こやつは大学院で研究して成績を残せるガッツがあるだろう、中退せずきちんと卒業できるポテンシャルがあるだろう、大学の名を汚さない活躍をするだろう、とPersonal statementから大学側に思わせるのも1つのストラテジーなのではないかと思います。
1つだけ確実に言える事は、『挑戦した人のみ』が合格できるという事です。挑戦しないと、落ちる事も、ましてや受かることも出来ないですからね!(極論でスミマセン💦)
8. どこの大学院に決めたの?
色々悩んだ結果、NYUに行くことに決めました!🍀恩師がNYUの卒業生であったこと、いつも先生からNYUの話を聞いていて憧れていたこと、恩師の見てきた景色を自分も見てみたい、というワクワクが抑えきれず、NYUへのエンロールメントを決意しました☺また、NYUに行けば国連にもインターンへ行けるし、自分がNYUに行って夢を追いかけているプロセスや未来が鮮明に想像できたという事も決め手でした!どんな決意も自分で決めたものならいつでも正しいし、人生初のアメリカ大学院生ライフを楽しみながら、夢に向かって成長していけたら良いなと思っています!!
9.最後に
今回の大学院初挑戦、正直私は1つも合格できる自信はありませんでした。しかし、合否は私の心が決めるものではなく、あくまで大学側が総合的に決めるものです。合格した時は、自分の本当にしたい事や信念、20年以上想い続けてきた夢が大学側に届いたのではないかと、とても嬉しく感じました。
19歳の時から、アメリカの大学院で学びたいという思いを抱き続け早14年。ブレずに夢を追いかけて、行動し続けていれば、いつかは誰かの目に止まる事、応援してくれる人たちに囲まれていく事、夢は叶い続ける事などを自分の人生を通して証明できています。
今後は大変な大学院ライフが待ち受けていると思いますが、今年の秋からアメリカで大学院生になれる喜びを噛みしめながら、より一層夢に前進して行きます🍀