アメリカ大学院への道 ‐国際公衆衛生編‐

今回のテーマは、アメリカ大学院への挑戦についてです。国際公衆衛生: Global Public Healthの大学院申請のためのアプリケーションである、SOPHASについて書いています!アメリカの大学院に興味のある方、私のように国際公衆衛生を学びたい方の参考になると嬉しいです☺

1.(国際)公衆衛生とは?

まず公衆衛生:Public Healthとは、人間社会の健康問題を解決するために、地域や国単位で対抗策を考える衛生活動の事です。臨床・治療は患者個人を対象としますが、公衆衛生は集団が対象です。公衆衛生は守備範囲が広い分野になるので、一概にこれだけとは言い切れませんが、主には『母子保健、伝染病予防、生活習慣病対策、精神衛生、食品衛生、住居衛生、水衛星、公害対策』などが含まれます。

また公衆衛生は国際医療協力と密接な関係があります。経済的に貧しい地域や、発展途上国等では、日本のように迅速な医療を受けれる環境や薬剤がありません。そのため、患者個人に最大限の治療を行うことが難しい環境下にあります。この国際的な状況に対応すべく公衆衛生的な観点から多くの命を救うために必要な治療のバランスを考える、それが国際公衆衛生となります。国際公衆衛生は、従来の公衆衛生に加え、国際的な規模の問題が含まれます。

2.SOPHASとは?

SOPHASとは、Schools of Public Health Application Serviceの略です。こんな感じのサイトで、Applyを押し自分のアカウントを作るところからアメリカ大学院への第一歩はスタートします!

アメリカの大学院で私のように公衆衛生を選択したい人は、このSOPHAS(ソファス)applicationを提出しないといけません。SOPHASは公衆衛生を勉強したい学生のみが使用するアプリケーションです。なのでどの分野を勉強したいかで、提出すべきアプリケーションが違うので注意が必要です!

3. アメリカ大学院に必要な提出物は?

これらすべての提出物をSOPHASアプリケーションを通して提出します!

①Online application: 公衆衛生の場合はSOPHASの事を指します。

②Official Transcripts: 日本の大学からのAcademic Transcripts(成績証明書)をWES: World Education Servicesという機関を通して大学院に送ってもらいます。

③Standardized Test Scores: 大学院で有名なのが、GRE:Graduate Record Examinationです。近年多くの大学院は、このGREのスコアを必要提出書類として記載していない場所が増えてきています。私の場合も必要ではなかったため、提出していません。

④English Language Proficiency: TOEFLやIELTS等の英語試験の提出も求められます。(最近ではコロナの影響を受け、オンラインで安く簡単にできるDuolingoのスコアを許可している大学院も増えました。)英語で大学の教育を受けた人は、TOEFLやIELTSのEnglish Proficiency Testは免除されます。しかし、私のような日本の大学のみで教育を受けた移民看護師には、悲しい事に英語の語学試験の証明は常につきまといます。英語で教育を受けていない移民看護師であっても、アメリカで永住権をもっている場合は、一部の大学院では英語のテスト証明がいらない場合もあるようです。

⑤3 Letters of Recommendation:3人からの推薦状をオンラインで出してもらわないといけません。アカデミックな推薦状と、職場からの推薦状両方あると強いです。また推薦者の学歴も見られるので、自分がアプライした大学院の卒業生であったり、マスター以上の学歴があり良い大学院を卒業している推薦者などであると、コネクションがある有力な候補者としても見てもらえるようです。

⑥Resume: 自分の履歴書も一緒に提出する必要があります。

⑦Statement of Purpose:志望動機を書いた小論文も提出します。この内容は一番大切で、何故この大学院を志望するのか、大学院で何を学びたいのか、大学院で得た知識をどう社会へ還元していき、今後の自分の展望は何なのか、等きちんとした目的を述べる必要があります。

4.アメリカの大学院には、看護師経験は必要?

公衆衛生の大学院は、Requirementsの中にアメリカの看護師経験が含まれていない場所が多いです。そのためアメリカでの臨床経験がなくても、日本から比較的多くの看護師さんが大学院申請しやすい分野なのではないかと思います。一方、Nurse Practitionerなどの分野を専攻したい場合であると(どの分野のNPかにもよりますが)、看護師としてのアメリカ臨床経験がないとアプライできない大学院も多いです。

私がアプライした国際公衆衛生の大学院の中で、1つだけ看護師経験5年以上がRequirementに含まれている大学院がありました。嬉しい事に、私は現在看護師7年目なので、アプライ可能でした!!このようにどの大学に申請するかで、求められるものが異なるので、将来アメリカ大学院を目指したい方は下調べして看護師経験を積むことも大切になってきます。(日本での臨床経験よりも、アメリカでの臨床経験が重視されます。)

5. SOPHASアプリケーションの内容について

SOPHASは、このように4つのセクションに分かれているアプリケーション。しかし、どの大学院にいきたいのか、公衆衛生の中のどの専攻をとりたいか、推薦状3人を誰に依頼するか、志願動機の小論文の内容をどうするか、など考える事が盛りだくさんで、SOPHASを最終提出するのに1.5カ月も要しました。大学によって締切日が違うので、アプリケーションを期限以内に提出できるように注意が必要です!

①Personal Information:個人情報を入力していきます。驚いたのが、自分の家族の最終学歴を記入しないといけない事でした。私の父親側の家族は、一級建築士一家。お金持ちで、学歴とプライドは高め。私が子どもの頃は、お父さんとおじいちゃんだけが私の味方で、なんでも好きなことを挑戦させてもらえました。しかし父親側の家族みんなからは、『お前はバカだから看護師にはなれない、やめなさい』とディスられ育ちました。そのおかげか?あなたには無理よ、やめなさい、と言われれば言われるほど、燃える性格となりました(笑)一方私の母親側の家族は、学歴も低いし裕福な家庭ではなかったけど、働きながら学校に通い、資格を取った温かい努力家一家。そんな家族の学歴だけを記載して、合否に判断されるかもしれない?ことが何よりも不快な項目でした(笑)

②Academic History: ここでは、自分の卒業した高校と大学の情報を記入します。ここからWESに登録できるリンクがあり、GREのテストもアップすることが可能です。

③Supporting Information: このセクションでは、推薦者の名前やメールアドレス、情報を打ち込みます。また、自分の看護師経験や資格情報、ライセンスナンバーなども記載します。

④Program Materials: このセクションが一番時間がかかりました!ここでは、自分の行きたい大学院のプログラムと専攻を選びます。このようにたくさん専攻が細かく分かれていて、どの分野の勉強をしたいのか、またどの大学院にいくと今後の自分の夢やキャリヤに繋がりやすいのかをたくさん考える良い機会となりました!私はマスターのGlobal Public HealthのOnlineを選びました!世界一物価の高いニューヨークでは、働きながら同時進行で学費と生活費を工面し、大学院にonlineで行けるのが経済的に一番安心だなと思っています。

6. SOPHASアプリケーション豆知識

①Personal statementである志望動機の小論文は、後からSOPHAS上にUploadすることが出来ないので、全て小論文まで完成させてからアプリケーションを提出しないといけないので時間がかります。このようにSOPHASの中の、Program MaterialsからDocumentsというところに行き、このDocumentsから志望動機の小論文を添付します!

②SOPHASアプリケーションの申請費用は、1つ目の大学院で$145です。2つ目以降のプログラムを選ぶと、$55とお金がプラスされていきます。なので、もし滑り止めに3つの大学院を同時に受けたい場合は、$145+$55+$55となり、申請費用にトータル$255かかる計算となります。なかなか高額な金額です!

③3人からのRecommendationである推薦状は、意外にみんな提出してくれず時間がかかりました(笑)皆さん忙しいのもあるのですが、アメリカ人のマイペースな性格とホリデーシーズンも重なり、1.5カ月推薦状をもらえずストレスな日々が続きました。SOPAHSは推薦状が少なくとも2人以上揃っていないと、アプリケーションを提出しても受け付けてくれないので、推薦状が揃う前に提出するのは要注意です!

④WESという日本の大学教育がアメリカの教育と等しいものであるかの審査が終わっていなくても、SOPHASは提出可能。しかしWESの審査が終わっていないと、大学院側はSOPHASの評価に回ってくれないので、WESの提出期限は大学院に確認することが望ましいです。大抵は、WESもDeadlineまでに終わらせておくことが理想です。

⑤SOPHASアプリケーションがVerified:確認されたというステイタスになるまでに、インターネット上の情報では4週間かかると書かれてありました。電話で問い合わせた際には、2週間で終わるだろうと言われ、念のため私は提出期限の1カ月以上前に提出しました。私の場合実際はたった1日でVerifiedのステイタスに切り替わり、そんなに深く考えて行動しなくて良かったなと取り越し苦労におわりました(笑)VerifiedにステイタスがなるとそこでSOPHASは終わりです。

⑥同じ大学の違う大学院プログラムに、同時に願書することは出来ません!なので、滑り止めでたくさん同じ大学の違う専攻を選ぶ事は不可能です。私の場合は落ちたら2023年の大学院にはいく事はできないので、2024年に向けての再挑戦となります!とにかく時間とお金はかかる覚悟です。

6.自身の今後の計画について

私の場合は、2023年の秋から大学院での勉強を開始したいと考え、fall semesterを選択しました!Wish me luck!!🍀WES:日本のBSN証明が2カ月経っても終わらず、締め切りを切れてしまっているため、大学院に不合格になる可能性が出てきました😂2023年の大学院にもし落ちてしまったら、今度は2024年に向け書類提出頑張ります!

もしどこかの大学院とご縁があれば、私立でも州立大学でもどちらかに通いたいなと検討しています。自分の人生の中で絶対にしないと決めていることは『時間を無駄にすること』です。私のお友達でNYUとコロンビア大学以外はレベルが低いから?行きたくない、と5年以上挑戦している人もいますが、それもまた彼女の人生なので良いと思います。しかし、私は何年も待てない性格なので、一つの事に囚われすぎて何年も大切な時間を無駄にするくらいであれば、大学のレベルは気にせずに2年どこかでマスターをとって、博士号でどこか良い大学院に挑戦するのもありかな、と人生計画のプランBも考えています(^^♪

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