アメリカでVISAを取る方法

私は、2021年の夏に雇用ベースの永住権: EB3 An Employment Based Green Cardを取得しました。

アメリカの政権や世界情勢なども大きく反映されますが、現在アメリカでは、永住権や就労ビザを取ることはとても難しくなっています。特に、私が永住権の申請をし始めた時期は、トランプ政権+コロナ渦という事もあり、ビザと就職氷河期で不安な毎日を過ごしました。

この記事は、実際に私が知っている例を元に、ビザが取れる可能性の高い方法について書いています。

多くの移民看護師さんや、将来国際的に活躍されたい方の参考になりますように!!

VISAを取れる7つの方法

1.VISAスポンサーになってくれる職場を見つける

①VISAスポンサー: 病院

オバマ政権までは、ニューヨークの就職サイトでは『ビザスポンサー有り』と多くの求人に書かれていました。しかしトランプ政権になって以降、アメリカ人の雇用を移民から守る動きが強くなり、ここ5~6年程はニューヨークでは病院からのビザスポンサーは皆無となっています。ニューヨークの中心部マンハッタンから4~6時間ほど離れた郊外や田舎の州等であれば、今でも病院から雇用ビザを発行している場所もあるようです。

アメリカの病院では、アメリカ政権や世界情勢、病院付属の弁護士の力量や法の改正、人事の人達のサポート体制等にもビザが出せるかというのは左右されます。そのため、どの病院が現在も積極的に看護師ビザサポートをしているのかという詳しい情報は個人で問い合わせてみないと分かりません。しかし、インターネット上で自分の働きたい病院やUnitの看護師キャリアページにアクセスします。そうすると、履歴書やカバーレターをアップロードした後に、このような質問が出てきます。👇

病院によっても異なりますが、『あなたはアメリカ市民ですか?』『永住権保持者ですか?』『就労許可のスポンサーが必要ですか?』などの質問事項を問う病院もあります。この質問に対し、『ビザスポンサーが必要』と回答してみるのも一つの手ではあると思います。運が良ければ連絡が返ってくる場合もあります。しかし多くの場合、ビザのない看護師さんに対し面接の日程が組まれることはまずありません。何故なら、ビザ保有者を面接・採用する方が病院側も時間や労力・コストを削減できるからです。

現に私も3年前に、100以上の病院やUnitにビザスポンサーについて問い合わせました。その際に3つの病院から、『もしかしたらビザが出せるかもしれない』との返事をもらいました。しかしパンデミックが起きた直後であったため、コロナの混乱中正確にビザの取り方を知っている病院は0。石橋を叩いて破壊してしまう程用心深い私は、病院からのビザスポンサーを諦めるしかありませんでした。

ビザ以外の事でもアメリカでは多くあるのですが、アメリカの方は前向きな人が多いので簡単に『I can do it』と言います。しかしそれは、過去に経験や成功事例がある『I am capable of doing it! 』とは異なるので注意が必要です。そこのニュアンスの違いで誤解が生じ、1年間の学生インターンが終わる直後に『やはりビザは出せない。ごめんね。』と言われ、泣き泣き帰国した友達を多くみてきました。

②VISAスポンサー: 施設

施設から雇用ビザを出してもらうことは、ニューヨークでは比較的簡単となっています。個人で直接、施設の経営者や人事に問い合わせるとビザスポンサーになってもらえる可能性は高いです。施設とは、Skilled Nursing Facility (SNF)と呼ばれるものが一般的です。主にNursing HomeやRehabilitation Centerなどのことを指します。SNFは常に人手不足に悩まされており、移民看護師さんでも人手が取り合えず欲しいという場所です。ニューヨークでは、1人の看護師が30人~60人の患者を受け持つという、かなり過酷な労働環境でもあります。そのため、1つの施設とビザの契約を結んでしまうと、契約が終了する3~4年の間は、何かトラブルが起こったり、辞めたい理由があっても違う施設や病院に転職することが出来ないため、精神的にも身体的にもかなり大変です。

③VISAスポンサー: クリニック

オバマ政権時代は、クリニックからH1Bビザを出してもらえた看護師さんを多く見たことがあります。クリニックからビザを出してもらう場合は、経営者やドクターとの強いコネクションが必要となります。ここ5~6年程は、クリニックからビザスポンサーをしてもらった人をあまり見たことがありませんが、交渉すればクリニックから永住権を出してもらうことも可能のようです。

クリニックのような小さな組織では、ビザが出せるほどの経済的なサポートが十分でないとみなされることも多くあります。そのため、ビザを取るのにかなりの時間がかかる、又は、ビザの受理が降りずに却下されるケースもあります。そのためビザスポンサーを探す場合、出来るだけ経済的サポート力のある大きな組織を選ぶ事が大切になってきます。

④VISAスポンサー: 個人的に依頼する

ビザスポンサーになってもらえないか、個人的に自分で依頼するという方法もあります。例えば、看護師としてホームケアをするという事を前提にお金持ちの家族から雇用ビザを出してもらう、又は、オペアでベビーシッターをしている家族から雇用ビザを出してもらうなどの方法があります。この方法で実際にビザを所得された方を見たことがあります。しかし、前例がないスポンサーの場合は、経済力や信頼性が低いとみなされ、ビザ所得に5年~7年かかる場合もあります。

2.看護Agencyを探す

ニューヨークではAgencyを通して永住権を所得することが一番メジャーな方法となっています。

ニューヨークで病院から個人的にビザを取るという事の難易度の高さや不確実さを目の当たりにした私は、Agencyから安全に永住権を所得する決意を固めました。星の数ほどあるAgencyの中から、1つのみ信頼できる会社を選び抜くことは簡単なことではありません。私はNCLEX-RN合格後、2019年9月に1つのAgencyと契約を結びかけました。しかし弁護士があまり信頼できなかった点と、Agencyとの方針が嚙み合わなかった事もあり、契約解除に至りました。また私の友達は、永住権を出してもらう約束で施設で違法就労をさせられ、2年以上永住権の手続きを始めてもらえなかった友達もいました。その友達は過酷な労働環境を目の当たりにし、Agencyと3年以上も契約を結ぶ覚悟が持てず、心病み自国へ帰国されました。

このようにAgencyは金銭目的の詐欺などもかなり多いため、どれだけ信用出来る会社なのかを見極めることがとても大切になります。

看護Agencyとは何か?

看護Agencyとは、病院又は施設などとの仲介者のような立ち位置の会社です。移民看護師または、現地のアメリカ人看護師さん等仕事を探されている方に職を提供します。その際に、Agencyは看護師を紹介した職場からコミッションを得ることが出来ます。また、看護師の時給の$5~7/hをお給料から天引きすることによって利益を得ています。私が永住権契約の際にAgency下で働いていた際、時給は$33~35/hでした。一方、正規雇用の看護師さんは$40/h以上でした。

Agencyから安全に永住権を取得したい方は、こちらの情報もチェックしてみてください👇

3.H1Bビザを出してくれる職場を探す

オバマ政権時代は、クリニックからH1Bビザを出してもらっていた看護師さんを多く見ました。しかし、ここ数年H1Bを獲得した看護師さんは見たことがなく、今現在はほぼ幻のビザとなっています。ニューヨークではH1Bビザよりも、雇用ベースの永住権を看護師に提供してる場所が多いです。理由は何故なのかは明確にはわかりません。しかし、他の州であれば未だにH1Bビザを提供している病院や会社もあるようです。

H1Bビザとは何か?

H1Bビザとは、専門技術者としてアメリカで一時的に就労する事の出来るビザです。延長を含めると、H1Bビザで合計6年の滞在が可能となります。建築やエンジニア、アカウンタントなどの専攻の方等が多く申請されています。アメリカで修士号や博士号などを持っている高学歴者の5人に1人ほどしか抽選に当たらないと言われる、競争率の高いビザとなっています。

一方で看護師のH1BビザはCAP Examptと呼ばれ異なります。看護師のH1Bビザは、抽選ではなく年中いつでも申請することが可能です。PTの友達から聞いた話なのですが、永住権とH1Bビザを2つ同時に申請することも可能だそうです。そのためその友達は、滑り止めのためH1Bビザを申請すると言っていました。知らなかったので驚きでしたが、私は2つビザを同時に申請している人を見た事がありません。

4.結婚VISA: A Marriage Based Green Cardを取得する

アメリカ市民、または、Green Card保持者とアメリカで結婚しビザを取るという方法もあります。この方法は、他のビザよりも書類審査が少なく、短期間で確実にビザを取ることの出来る安全な方法です。私もずっと知らなかったのですが、アメリカにいる日本人看護師さんの95%以上は、このMarrige based green cardの方達です。コロナの影響を受けて、結婚ビザも人によっては取得するまでに2年以上かかる方もいます。旦那さんの収入が低い場合は経済的サポートが少ないとして、永住権の手続きが長くなる場合もあります。また、住む地域からの永住権申請者の多さも関係します。マンハッタンなどの大都会では申請者が多いため、待ち時間も長くなる傾向にあります。友達はニューヨークの田舎から申請して、4カ月で結婚ビザがおりた強運の持ち主もいます。

偽装結婚も多い!それがアメリカの現実!

ニューヨークには偽装結婚業者まであるほど、ビザが欲しい方で溢れています。私の友達の友達ですが、偽造結婚をされた人を2人程見たことがあります。違法なビジネスにはなりますが、会ったこともないアメリカ人の方と法律上の婚姻を結びます。代理業者には500万円ほどを支払い、上手くいけば永住権が獲得できるようです。挑戦される方は少ないかもしれませんが、ビザの1つの闇として紹介しました。

5.Churchから就労VISAを出してもらう

Churchて、教会からビザを出してもらうということ?!と驚かれる方も多いと思います。

私は、ニューヨークに来てすぐキリスト教やユダヤ教徒の患者理解のために、教会に通いバイブルスタディしました。

その際に、韓国人や中国人、フィリピンの人達が教会からビザサポートをしてもらっていたのをよくみました。

私の大親友が韓国人なのですが、彼はすごく賢いのですがH1Bビザの抽選に2年落ちてしまいました。そのため、彼は今現在教会からのビザサポートで永住権を申請中です。このように教会からサポートをしてもらえる人は、かなりのオーソドックスな宗教者です。皆さん何年も教会に通い、経営者とのコネクションや信頼があるからこそ取れるビザでもあります。

6.日本からVISAスポンサーを探す

日本から留学なしでビザを取って、直接来られた方を私は一度も見たことがありません。

自国からビザスポンサーを見つける方法は、韓国やフィリピンではかなり多い方法のようです。

私が出会った多くの韓国人看護師さん達は、自国で永住権を所得し留学なしで単独渡米されている方が多かったです。そして、渡米1週間で臨床復帰されている強者も!すごすぎます!!韓国は英語で看護教育をしており、アメリカの医療機関とのコネクションもあると友達が言っていました。この方法はやる気さえあれば、アメリカのAgencyと契約を結び、日本からでも不可能なことではないと思います!

7.永住権の宝くじに応募する

アメリカ永住権の宝くじに、毎年応募する手もあります!!

私は3年連続で応募したのですが、3回ともYou have not selected!! 残念!といった感じで落選しました。笑

毎年10月から11月の短期間に募集があるため、パスポートを持っている人であれば誰でも応募可能となります。

この抽選は、基本ランダムに選ばれるものですが、近年コロナの影響を受けてか私の周りの看護師友達が次々と当選しています☺ なかなかDVビザの手続きの情報が少ない事や、自力で手続きをしないといけない難しさから、当選後、ビザ取得まで辿り着けない人も多くいるようです。また番号の古い人は、当選しても足きりで落とされる可能性も高いようです。

https://dvprogram.state.gov

ご興味のある方は、運試しに挑戦してみるのもありかもしれません!

最後に

これら7つの方法は、私が6年間ニューヨークに住んできて実際に見てきた事例をもとに書いています。

うまくいくかはさておき、アメリカでビザを取る方法は星の数ほどあります。大都会ニューヨークはビザに関する詐欺も多いため、自分でビザスポンサーを見極める能力が必要となってきます。ここには挙げていませんが、投資家ビザ・研究者ビザ・駐在ビザ・アーティストビザなど、その他多くのビザがアメリカには存在します。可能性を増やす意味でも、是非ご自身でビザの種類について調べてみるのもおススメです。

またトランプ政権から、移民に優しいバイデンに現在は政権交代したので、今後は移民看護師さんや国際的に活動したい方たちがアメリカでビザの壁に阻まれることなく活躍できる日が来ることを心から願っています☺

ご興味のある方はご気軽にお問い合わせください

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